不祥の娘婿02

 この前に不祥の娘婿お酒編を書きましたが、女房の親戚の間特に義母の姉さん達の間では、「○○子も苦労している」がお決まりの文句になったようだった。
 なぜ、その伯母さん達がそんなことを吹聴するのか不思議だったが、ほどなく意味がわかった。
 女房の妹がある日「お兄さんは、○○さんそっくりね」と口走った時に理解できた。○○さんとは、伯母さんの連れ合いだったのだ。
 私と○○さんは、よく似ていて、お酒が大好き、綺麗なお姉ちゃんが大好き、胃潰瘍の手術をしている、背が高い、ものの言い方が高圧的(私は個人的に昔、ロバートケネディの話し方を勉強したことがある)などなどである。
 悪い人ではないが、若い頃に伯母さんは苦労したようだった。自分のした苦労を可愛い姪っ子がしたら可哀想と思ったらしい。
 ある日女房の実家で会ったら「Fさん、○○子のことをお願いしますよ」と念を押されてしまった。その時に伯父さんから「F君は偉いよ、私が若い頃は、女房を連れて歩くのが何となくいやだった、最近だよ二人で出かけるようになったのは、F君はいつも一緒だからね」といわれた。
 いや伯父さん女房の実家に来る時は一緒ですよと言いかけて飲み込んだ。そんな伯母さんからこの前「私が年を取って、動けなくなったら○○子に面倒を見てもらいますからね。今からFさんに頼んでおきますからね」と通告を受けてしまった。
 「女房がやることだからかまいませんよ、どんどん使ってください」と返事をしたら笑っていた。子供達がいるのに姪っ子が面倒見る必要があるのか不思議だった。