すっきりした

 後悔するばかりの人生だった、社会主義が正しいと思いマルクスエンゲルス、実践は毛沢東だと学校のときにそんな勉強ばかりしていた。
ゼミの教授に、「ふりやどこのまま残るって事も考えるか」といわれたときに即座にノーと返事をした。あのまま残っていれば、今頃はどこかの学校で教壇に立っていたかもしれない。
 でも、便所の戸板みたいな世界にいるのは嫌だから今の道を選んだ、おかげで両親のすぐそばに住めて、女房とも結婚できた。それなりの暮らしはできている、とても親切な主治医にめぐり合えてC肝も著効となった。できないといわれていた子どもも?だけれど二人授かった、両親はとても喜んでくれた。
 これ以上望むものは何もない。後悔の多い人生だけれど、どちらかといえば幸せな部類だろう、最後の望みを初めて今日、後援してくれる人に打ち明けた。すっきりした。