不安は尽きない

 30歳を少し越えたばかりの頃に、腸閉塞という病気になった。これはものすごく痛い、痛いというか苦しいそんな記憶がある。
 月曜日に朝からちょっとお腹がおかしかった、けれどどうしても抜けられない仕事があったので、これを済ませて病院へ行こうと思っていた。しかし、仕事中にお腹の痛みが激しくなり、やっとの思いで終わった後にすぐ病院へ行った。
 出かけるときにこのまま入院しないようにと激励されたが、尋常な痛みでなかったのでそれは難しいと思うほどだった。
 病院へついて診察を受けたら、即入院となってしまった。ベッドができるまで待っていたら、病院の人が奥さんへ連絡してあげるから教えてと言ってくれたので電話番号を教えた。ここで記憶が無くなっている、苦しみのあまり気を失ってしまったのだ。
 気づいたときは会社の先輩が背中をさすってくれていた。病院へ行くと行ったきり帰ってこないので心配になり見に来てくれたようだった。「こんなに苦しんでいるのを見ていられない」といって背中をさすってくれていることを覚えている。暑くもないのに、Tシャツは汗でぐっしょりとしていた。苦しくて汗が出ているのだった。
 女房は何をしていたか、苦しんでいる姿をみて日ごろの鬱積が晴れた、何もすることがないので立っていた、右往左往していた。ぜんぜん違うのです、私の苦しんでいる姿を見て動転し気持ちが悪くなって、違うベッドで休んでいたようです
 しかし、良いお薬があり最初の投薬が効いて、その週の金曜日には退院できた。現在までこの病気は起こっていないが、再発するという性格のものではないようですが不安は尽きない。