みなさんありがとうございました

「ふりやどさん」
 診察室に呼ばれていつものようにお世話になりますと言いながら椅子に座ったとたんに
「おめでとう、完治してます」と話しかけられて、ちょっと気が動転してしまった。
ほらねと二人で検査結果の画面を見ると「マイナス」の文字があった。
ちょっと、間をおいてから
 「先生、経過観察は1年のほうがよいと言う病院が増えているって聞きますけれど」
 「そうですか、私は半年でいいと思いますよ。そういうところもあるようですが、私の患者さんで半年以上たって陽転した人はいませんよ。陽転する人は、治療終了後2ヶ月以内に全て陽転していますよ。ふりやどさん、私の書いた本読んでいないの」
 「はあ、申しわけありません」
 「まあ、C型肝炎で苦しんだのだからそんな気持ちになるよね」
 「でも先生、私は30年近く体の中にC型肝炎ウィルスがいたのだから、いなかった人よりも肝臓ガンの確率は高いのですよね」
 「C型肝炎に限っては、無くなれば関係ありませんよ、でもB型肝炎については完治しても肝臓ガンとの関係があるという論文があるよね、それが出た時はショックだったけれどもね」
 「これからはC型肝炎も治療法がたくさんあるのでしょうね」
 「もう少し、2年後ぐらいには新しい治療法が出来るようになりますよ。でもふりやどさんは関係ないよ」
 「そうですね」
 「おめでとうございました」
 「ありがとうございました」反射的に出てしまった。これでタイムオーバー
 診察室を出て喜びが爆発するかと思ったら、そんな気分にはなれなかった。
 外に出て、お世話になった人や、両親、女房には電話をした。皆、一様に喜んでくれた。昨日電話をしてきたSさんも私の健康を気遣ってくれた。本当に周囲の皆さんに心配をかけ応援してもらったことを実感した。
 そして、なんといっても疾風怒濤の時代を支えてくれたお仲間の皆さん大変にお世話になりました。ちょっと筆舌では言い尽くせない、終生忘れません。
このブログでお仲間の皆さんと知り合えるまでは、世間は修羅の巷だと思っていました。相手が約束を破って仕事がおしゃかになってしまう。金が無くて借金取りに追いまわされる。そんなことの大中少と思っていました。
 ふりやどがちょっとおかしいとなれば、皆で駆けつけてくれて、励まし、勇気付け、行くべき道を諭してくれる本当にありがたかった。足を向けて眠れないそんな心境です。受けた恩は心にしかと刻んで、皆さんが何か困ったがわかったら私が出来る範囲でアドバイスしようと思っています。しばらくたったら、このお仲間アンテナを卒業しますが皆さんとは終生のお仲間と思っています。